今回は、幼児の保護者において睡眠負債や日中の過度な眠気と育児ストレスの関連について調査した研究論文を取り上げる。
<自分なりにまとめてみた>
2019年に高知県内の公立保育園にかよう916名の保護者を対象に、保護者の主観的な育児ストレスについてと睡眠習慣、日中の過度の眠気について質問紙調査を行い、それぞれの関係について調査した。それらの結果から、育児においてストレスを感じる主観的な頻度や強さは、睡眠負債や寝不足によって生じる日中の眠気によってより強まることがわかった。また日中に過度の眠気を感じる保護者は、眠気を感じない保護者と比べて、「自分の時間が足らない」「家事の時間が足らない」ことに対しストレスを感じていると回答した人の割合が高かった。
<感想>
現代において、保育園に通っている子どもの保護者は働いていることが多く、育児や家事を行うには、睡眠時間や自分への時間を削らなくてはいけないという現状があるのではないかと感じた。時間を削ってまでして行った育児や家事によって睡眠不足になり、次第に精神的に余裕がなくなった結果、育児や子どもに対し、マイナスの感情を持ってしまうことも考えられ、そうなってしまうのはとても悲しい。そういった事態を避け、保護者自身も無理なく育児や家事を行うためにも、保護者が眠ったり、自分の時間を持てたりすることが大切なのではないだろうか。普段から育児や家事に向き合っている保護者が、これから先も子どもたちといろんなことを乗り越えながら生活していくためにも、レスパイトがあると良いと改めて感じた。
引用
竹内 日登美・中出 美代・宮崎 総一郎・原田 哲夫(2021).幼児の保護者の睡眠負
債、日中の過度の眠気と育児ストレス 生命健康科学研究所紀要, Vol.18, 10-15 .
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