今回は、
信州大学医学部 周産期のこころの医学講座 講師であり、医師でもある村上寛先生と
信州大学医学部 周産期のこころの医学講座 講座事務・社会福祉士/精神保健福祉士をされている村上ひろこさんにお話を伺いました。
<概要>
周産期のこころの医学講座での地域活動は、ママサポチケット・ベビーといっしょにミュージアム・こころのおはなしブースです。それぞれを簡単に紹介させていただきます。
ママサポチケットとは松本山雅FCさんと連携して、妊婦さんやお母さんが安心してサッカー観戦できる企画となっており、赤ちゃんを見守ってくれる方やキッズスペース等を準備してあります。(右写真)
ベビーといっしょにミュージアムとは、松本市美術館でアート・コミュニケーターがお母さん・お父さんとおしゃべりをしながら、赤ちゃんとの美術館での鑑賞を行うものです。
こころのおはなしブースとは、松本地域のイベントなどで、日頃の妊娠中や育児の悩みを気軽に相談できるブースを開催しています。(左写真)
<おはなし>
お話を伺った中で私の今後の活動において、私にとって特に重要だと思った3点をまとめてみました。
① ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチについて
(ハイリスクアプローチとは、ハイリスクの人を対象に支援を行っていくことで、ポピュレーションアプローチとは集団全体を対象として働きかけを行い、全体としてリスクを下げる取り組むことを指します。)
村上先生のお話に専門家においても、この両方の視点をもち、活動をしていくことが大切だというものがありました。私自身が公認心理師や臨床心理士としてのみの活動した場合、ハイリスクの方に関わる割合が大きくなり、専門性を高めることはできます。しかし、私が、目指しているマルトリートメント等を予防し、保護者も子どもも笑って暮らせる社会を目指す中では、ポピュレーションアプローチも両輪として行い、視野を広く持っておくことも重要になってくると教えていただきました。実際、村上先生も医師としてハイリスクアプローチをされながら、こころのおはなしブースにてハイリスクアプローチを行なっております。これは、専門性があり、ハイリスクアプローチも可能だからこそ、こころについて、ポピュレーションアプローチを行うことができているのだと感じました。
② 関係性について
ママサポチケットは地元のサッカーチーム松本山雅FCさんとのコラボによって成り立っています。新しいファン層が欲しい、かつ、地元に貢献したい松本山雅FCさんと保護者の方が楽しめる時間を提供したい、かつ、地元に貢献したいという周産期のこころの医学講座との思いが合わさっています。このWin-Winの関係性だからこそ、長期的に続けられる活動となっています。私は、今後活動をしている中で、どこかとコラボをすることになった際には、学生だからということではなく、対等な関係で、お相手も自分の団体もWinーWinになるような企画や活動を考えていくことの重要性を感じました。
③ 活動の継続について
こころのおはなしブースの初期は利用する方が少なかったそうです。しかし、そこでやめず継続をすることで認知が広がり、また、開催する場所も広がっていき、今では、さまざまな方が利用してくださるようになりました。村上先生は、このお話の中で、同じチラシや目印のものを使い続けることで、保護者の方自身が「あ、またこういうのやっている」と知ってもらうことができ、何度も開催することが多くの方の利用に繋がっていくと伝えてくださいました。また、活動の継続に関して、ひろこさんから私の団体に対して継続していくために、大学生をどう集めていくのかなどの視点からアドバイスもいただきました。私の団体での活動も同じように初めは小さい規模でしたが、だんだんと大学生にも保護者の方にも広がっていき、今では安定したイベント開催を行えております。このまま安定した開催を継続するために、この団体の改善点について気づくことができました。
<感想>
今回、お話を伺うきっかけになったのは、四日市の母と子のメンタルフォーラムにて村上先生の講演を聞いたことでした。初めてのフォーラムでの緊張と初対面の先生に学生という立場で話しかけて良いものかという不安と、それでも、話しかけたい!名刺を交換したい!という思いがあった私は、きっと挙動不審だったと思います。こう話そう!と決めていざ声をかけたはいいものの、緊張しすぎて頭真っ白で、全然リハーサル通りではないお話をしてしまいましたが、村上先生はちゃんと聞いてくださり、また、周産期のこころの医学講座のチラシまでくださいました。その後、メールとインスタを送らせていただき、今回のzoomのお話会へと繋がっていきました。
私が興味を持った理由は、私自身が将来的に行いたいと思っている活動にとても近いと感じたからです。私は、保護者の方が精神的余裕を持って育児を行えるような環境整備を行うことで、子どもも保護者も笑って暮らせる社会へとつながると考え、その一つとしてレスパイトを掲げております。そして、将来的には、ひらけ、PEACE!での子どもたちのイベント開催の裏では、保護者の方を含めて自由に出入りでき、お話したり好きなことができたりする場を提供したいと考えております。周産期のこころの医学講座では、ママサポチケットのように保護者の方にレスパイトのような時間を提供していたり、こころのおはなしブースにて保護者の方であれば誰でも、こころの悩みに耳を傾けていたりしています。私が将来行いたい活動をすでにされていると感じ、実際どうなっているのか、などをお聞きすることで、自分の将来に活かせるものがあると思いお声がけをさせていただきました。
私にとってとても濃い1時間を過ごすことができました。上記の3つ以外にも学ぶことやハッとさせられることがあり、私自身が大きく成長をできたと感じています。村上先生もひろこさんも私の団体での活動や私自身の思いなどについてフィードバックをしてくださり、自分では気づけなかったことや、改めて大切な活動であることを感じることができました。また、ご縁によって繋がった方々と関係を構築していくことの大切さも伝えていただき、勇気を出して名刺を村上先生に渡したことやメールを送ったことに対して自分で自分を褒めつつ、これからもいろんな方と繋がり、そして、それによってさらに、保護者の方も子どもも笑って暮らせる社会へと繋げていきたいと思いました。
実際に、周産期のこころの医学講座へと訪問させていただく予定ですので、生で見ることや関わることで感じることもまた、ここに綴りたいなと思います。
村上 寛 様
村上 ひろこ 様
この度は、本当にzoomでお時間をいただき本当にありがとうございました。
今度は長野県での周産期のこころの医学講座にてお会いできるのを楽しみにしております。
周産期のこころの医学講座
Web:https://shinshu-shusanki.org/
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